越前海岸にて
一面に広がる 海に
降りそそぐ月光に照らされて
波上に浮かび上がる一筋の道
遥か天上へと響く
海鳴り
一人座して しばし手を合わすと
悲しみも絶望も
逆さまにほどけゆく このこころ
ふと辺りを見れば
道ばたの雪の間に
水仙
寒椿
(詩集・・・「明日のまほろば」より)