微笑み
久しぶりにふる里に帰ってみれば
家の中は だれも いない
だれかいるんか と呼べば どこからか
せんちゃんか ようきたな と なつかしい
でも みまわしてもみまわしても だれも いない
ココ ココ
声のするほうをなんど見てもわからない
と
ほんの目の前の
大きな庭石とツツジのあいだに
草をむしりながら
ちょこん と
八十六歳になる母が
もう小さく石のように 自然そのままに
くしゃくしゃの顔 笑う目
自然そのまま 自然そのままに
ちょこん と
微笑んでいる
(詩集・・・「月の夜の詩」より)
家の中は だれも いない
だれかいるんか と呼べば どこからか
せんちゃんか ようきたな と なつかしい
でも みまわしてもみまわしても だれも いない
ココ ココ
声のするほうをなんど見てもわからない
と
ほんの目の前の
大きな庭石とツツジのあいだに
草をむしりながら
ちょこん と
八十六歳になる母が
もう小さく石のように 自然そのままに
くしゃくしゃの顔 笑う目
自然そのまま 自然そのままに
ちょこん と
微笑んでいる
(詩集・・・「月の夜の詩」より)