紅葉の夢
花筐公園にて
今年も来れたね
ええ
今年は本当に美しいね
見て あの藁葺き屋根に映える紅葉
ひらひら
ひらひら
眼下には
昔ながらの 瓦の美しい町並み
その向こうは 継体天皇のころから続く紙の郷
その隣は
我(わぎ)妹子(もこ)が形見の衣(ころも)なかりせば何物もてか命継がまし と歌った
中臣(なかとみ)朝(あそ)臣(み)宅守(やかもり)の流された里 味真野
ああ 紅葉はいつの世も無常の夢
でも
ひとの思いは
紅葉の如くこころに染まり
(詩集・・・「明日のまほろば」より)
<写真撮影:於 花筐公園>