秋の陽
僕の好きな散歩道には
たくさんのお墓が
塀の向こうに位置している
たくさんのお墓が
塀の向こうに位置している
そんなお墓の前に通りかかると
いつも つい なにげに
声をかけてしまう
なんとか生きてます
こんにちは と
そちらは何も答えず
ただ
秋の陽の光を浴びながら
とんぼとともに
いつまでも前を見つめていなさる
静かに厳粛に
あるものはちょこんと首をかたげて
あるものは少し空を見つめて
でも僕は
なぜかこころ落ち着き
ガンバロウ と 呟いている
(詩集・・・「明日のまほろば」より)