四人
秋の
澄んだ陽ざしの村の
畑の片隅に
もう八十八歳近くになる老夫婦が石の上に座っている
澄んだ陽ざしの村の
畑の片隅に
もう八十八歳近くになる老夫婦が石の上に座っている
五〇を過ぎた息子が一人
親の前で この娑婆は・・・と言って
頑張っている話を自慢そうに語っている
ばさんは
このじさん 私の言うことはちっとも聞かんと言えば
じさんは このばさんこそいたずらばっか言ってと
息子や孫の前で語っている
息子はその光景を見てワッハッハッと笑っている
そして うれしそうに元気だ元気だと笑っている
畑と喧嘩はいいことだと笑っている
孫もニコニコと笑っている
アキアカネ
スンスン
この四人の周りを気持ち良さそうに飛んでいる
(詩集・・・「天涯の郷」より)